エクセルとは
今月のA君の売り上げはいくら?B君は?昨月との対比ではどうなっている?一覧表で管理したい。こういったとき、いちいち紙に書き出して電卓を叩いて、その結果を表に埋めていく。こんな作業はすべておまかせ。それがエクセルです。もちろん、単なる表計算だけでなく、自由な罫線を活用した様々な書式を作ったり、プレゼンテーション用のスライドを作ることも可能です。使い手の発想とスキル次第で、その使い方は様々。初心者でも直感的に操作できるよう配慮がなされている部分もありますし、マクロなどで作業量を減らす工夫もすれば、作業効率アップ間違いなし。会計に携わる人だけでなく、事務に関わる人はエクセルを使えて損なことは何もありません。
エクセルを始める初心者の基本
エクセルは様々な操作を行うことができますが、基本的に全てオフラインで、キーボードとマウス操作だけで扱うことができるアプリケーションです。数字はもちろん、ワードのように単純に日本語フォントを打ち込むことができますし、それらの打ち込んだ値をもとに関数とよばれる式を組み合わせることで、文字や記号の数を数えたり、他のファイルと共有・連動することもできます。必要とあれば図の引用や挿入も簡単に行うことができますので、エクセルは単なる「表計算ソフト」というカテゴリーにある、ととらわれずに、事務作業全般を助けてくれるソフトだと考えてよいでしょう。「こんなことがしたい、こんなレイアウトにしたい」という意識を持って、そこに近づけるために何が必要か。それを考えることが何よりも基本になります。
エクセルの初心者が始める前に必要な基礎知識
エクセルには、「ブック」、「シート」、「セル」という概念があります。まず大きい順に「ブック」。これは簡単にいうと、バインダーです。その名前の通り、本の表紙部分であるとイメージしてもらってよいでしょう。そして「シート」はあるページのようなものです。「ブック」の中に、最低でもひとつのシートが必ず存在し、エクセルのファイルを構成しています。最後に「セル」ですが、これは「細胞」という意味がありますが、原稿用紙のマスのようなもので、シートの中に無数に存在し、そのサイズは自由に決定できます(ひとつのセルに一文字というわけではないので、厳密にはマスではありません)。つまり、直接文字を打ち込んだりして操作するのが「セル」、それらを一枚分として数えるひとかたまりが「シート」、そしてその集合体が「ブック」です。
エクセルを始める際に必要なもの
エクセルを始めるためには、まず当然ながらお使いのパソコンにエクセルをインストールする必要があります。エクセルは有償ソフトですが、パソコンを購入したときにCD-ROMで同封されていたり、インストールされていたりする場合もあります。最近では「Office Online」というサービスもあり、こちらは無償で使えますし、タブレットなどの携帯端末でも使えるアプリもあります(オンラインでないと使えない、本来のエクセルに比べて機能が制限されている、などのデメリットはあります。)。PC操作の場合、キーボード操作に慣れている場合はショートカットキーなどで快適に操作することも可能ですが、極力キーボードとマウス、そしてテンキーをおすすめします。
エクセルの初心者が簡単に始める方法・手順
では、セルに適当な数字を打ち込んで計算してみることをおすすめします。簡単な「1+1」などで結構です。計算式の基本は電卓と同じようなものと考えて結構ですが、まずセル内の一番初めに「=」を半角で打ち込んで、「1+1」と入力して確定させれば、「=1+1」という表記が「2」と表示されるはずです。では次に、その「2」と表示されているセルをクリックしてください。すると、「=1+1」という表記に戻りましたね。つまりは、実際にエクセルに入力されている値は計算式で、単なる足し算でない複雑な計算式なども、最終的な値が表示されています。これが基本中の基本です。そしてエクセルは表計算ソフトです。セルとセルの数字の計算を行ったり、セルを結合したりしてレイアウトを調整しながら文書を作りあげてゆくというわけです。
エクセルの初心者が上達するためのコツ
エクセル初心者が上達するためには、まずひたすらエクセルを触ってみることに他なりません。例えば、セルにたくさんの見出し文字などを打ち込んでも、セルが小さいがためにその文字が見切れてしまったり、他のソフトにはない文字入力の概念に戸惑うことかと思います。ですが、そこに慣れてしまえば、あとは「もっとこうしたい、もっと便利にしたい」という気持ちを持つことが大切です。オンラインヘルプなども駆使して、様々な関数を使いこなすことができるようになれば、エクセルの無限の可能性に気づき、作業が楽しくなってくるでしょう。また、解説書や「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト」という検定のテキストなどもおすすめです。エクセルの様々な用例に慣れ親しむのも良い経験になると思われます。
エクセルに初めて挑戦する人へのアドバイス
はじめは、あまりに何もわからなくて、茫然としてしまうこともあるかもしれません。ですが、関数などでどうしてもうまくいかないことがあっても、あきらめず原因をひとつひとつ探っていけばかならず解決できます。誰でもはじめは初心者です。打ち込んだ覚えのない妙なスペースや、セルの配置換えをしたときにありがちな番地指定のミスなど、原因は様々ですが、実は関数の問題でなく、ツールバーや右クリックで操作ができる範疇のトラブルなどもあります。いきなり難しいシートを完璧に作り上げようとするのでなく、こまめに保存してバックアップをとりながら、ひとつひとつのトラブルに向き合って解決していくこと。これが何より上達に必要な材料ですね。
エクセルの初心者のまとめ
まずは簡単な表を作って、慣れることが必要不可欠です。セルの結合、並び替え、合計、平均など、基本的な操作をマスターしてしまえば、そこからは作業の組み合わせです。そして、表に慣れれば、次は表を組み込んだ文書を作ってみてください。シートを分けたりするのもおすすめです。こうした作業に慣れてくればシート間、ブック間での値を参照するデータも処理できるようになりますし、実際に紙に印刷する上でのレイアウト調整なども案外手こずるので、練習しておくことができます。そして、常に効率よく作業をするということを念頭に置いてください。その気持ちを忘れなければ、新たな関数や作業、マクロの導入などもすんなりと受け入れて、初心者を抜け出してエクセルのスペシャリストへと成長してゆくことができるでしょう。
エクセルの歴史
エクセルは、マイクロソフト社が提供するソフトで、現在の最新バージョンはWindows用で「エクセル2013」、Mac OS用で「エクセル2011」です(2015年5月現在)。2015年の夏には「Windows10」も導入されますし、今後もエクセルがどんどんと新化してゆくことが予想されます。たとえば、今ではなくてはならない機能である「セルの結合」はエクセル97からの機能ですし、そこから現行のエクセル2013に至るまで、ユーザーインターフェイスの改良などの様々な試行錯誤を経ています。個人的には、エクセルで文書を作成し、印刷したときに、デスクトップ上のレイアウトと少々ズレて文書ができあがることがある、という問題が解決されればうれしいのですが…今後に期待といったところでしょうか。
初心者におすすめのエクセル
初心者向けのエクセル、というものは残念ながら存在しません。ですが、強いておすすめとして挙げるなら、当然現行のエクセル2013、またそれに並んで解説書なども多く、ユーザー数も多いエクセル2010が挙げられます。インターネット上でエクセルの情報を収集したとき、エクセル2010を対象に作られた解説サイトなどが多くみられます。ですが、2013に比べて型が3年分古いということですから、その分早く型落ちしてしまって、マイクロソフトのサポートが受けられなくなるということです。したがって、経費の都合上2010しか導入できない、とか、何か特別の事情でもない限りは、最新であるエクセル2013から学び始めることをおすすめします。