歌舞伎とは
歌舞伎は能楽や文楽などと同じ、日本を代表する伝統芸能の一つです。歌舞伎の由来は傾くという動詞からきています。傾くとは、並外れている・常軌を逸しているという意味で使われていました。安土桃山時代や江戸時代の初期頃に、当時の流行りの最先端を行く人々はかぶき者と呼ばれていました。この人々の斬新な格好が舞台の中で真似をされるようになり、歌舞伎と呼ばれるようになったといわれています。歌舞伎は長年の歴史の中で、様々な流行や他の芸能を取り入れていくことで発展していきました。演劇や音楽などの色々な要素を併せもった総合芸術といえます。現在の歌舞伎で上演される演目の種類は400本程度とされており、様々な内容の作品があります。
歌舞伎を始める初心者の基本
これから見に行こうとしている初心者は、まず歌舞伎がそれほど敷居が高いものではないということを念頭にいれておくことが大切です。チケットが高い・言葉がわからない・どの部分を楽しめばいいのかなど、初心者にとっては高級で難解なイメージがあります。しかし実際にはそれほど高い値段ではなく、またお笑いの要素や激しいアクション・見せ場があり、見る楽しみがたくさんあります。今でこそ伝統芸能としてのイメージが強いですが、元々は庶民の文化であり作品の内容も親しみやすいものが数多く存在します。実際に見にいくと、その時々の時事ネタを取り入れた台詞がでてきたりと、歌舞伎のことがよく分からない初心者でも楽しめる要素が盛り込まれています。
歌舞伎の初心者が始める前に必要な基礎知識
まず歌舞伎が上演されている場所ですが、東京にある東銀座の歌舞伎座が最も有名です。建て直しがされたばかりで、一年中上演されています。他にも新橋演舞場や国立劇場・大阪の松竹座などでも年に数回上演があります。また上演時間は休憩を合わせて、4時間から5時間程度です。食事の休憩は30分あり、劇場の中にはグッズ販売店などのお店があります。劇場内には様々な歌舞伎に関するものがあるので、休憩中にそれらを見て楽しむこともできます。席は桟敷席と呼ばれる高い席もありますが、一階から三階まで手頃な値段の席もあり、好みに合わせて席を選ぶことができます。舞台には様々な仕掛けが施されており、それを見ることも楽しみの一つです。
歌舞伎を始める際に必要なもの
初心者が歌舞伎を見に行く際に、注意する必要があるのはまずは服装です。着物などを着ている人もいますが、基本的には他の劇場と同様の格好で問題ないのでそこまで身構える必要はありません。サンダルなどはできればやめたほうが良く、強めの香水などマナー違反には注意が必要です。見る作品の内容がまったく分からない場合には、劇場の入り口付近に上演プログラムが販売されています。解説が載っているので、おおまかな作品の流れをつかみたい場合には購入をおすすめします。また、上演に合わせたリアルタイムでのイヤホンガイドがあるので、必要であれば借りると理解が深まります。作品の解説だけではなく、俳優の紹介や音楽・言葉の由来なども解説されるのでおすすめです。
歌舞伎の初心者が簡単に始める方法・手順
基本的には、まずは一度観にいって雰囲気をつかむことが大切です。歌舞伎の作品には十八番と呼ばれる基本的な作品から、よく知られている代表作品が色々とあります。まずは有名な作品を見にいくことをおすすめします。また映画などと比べて上演の時間が長いので、ゆっくりとした時間のなかで楽しむことが必要です。イヤホンガイドを使っても意味が分からなかったり時間が長いと感じるならば、スーパー歌舞伎などといったより初心者向けの上演が行われていることがあります。これらの上演は親しみやすい作品が多く、言葉も現代に近く普通のものに比べて舞台の流れが速いです。アクロバティックな演出も多く見所も分かりやすいので、初心者が最初に観る歌舞伎としておすすめです。
歌舞伎の初心者が上達するためのコツ
基本的には、何度も劇場に足を運ぶことが大切です。時間に余裕があるならば、できれば作品のストーリーがどのようものなのかあらかじめ調べておくと良いです。何度も通うと、最初は分からなかった部分が理解出来るようになったり、客席からのかけ声のタイミングなどが分かるようになっていきます。さすがに初心者がかけ声をかけるのは難しいですが、パンフレットやイヤホンガイドを活用すると、歌舞伎に対する理解が早く深まります。歌舞伎検定と呼ばれる試験などもあるので、基本を学びたい場合には検定の教科書などを使って勉強するのも一つの方法です。市川家などの屋号や、立役・女形などの基本的な用語を覚えていくことが上達するためのコツです。
歌舞伎に初めて挑戦する人へのアドバイス
歌舞伎は最初は敷居が高く難しそうなイメージがありますが、実際に行ってみると親しみやすく想像していたイメージとは随分異なります。まずはとにかく劇場に足を運んでみることが大切です。どうしてもハードルが高いと感じる場合には、初心者・若者向けとされるスーパー歌舞伎やコクーン歌舞伎を見にいくのがおすすめです。現代の感覚に近くなっているので、とても観やすいです。そこから代表作品を知っていき、イヤホンガイドなどの助けを借りながら用語や俳優等も同時に覚えていくと、歌舞伎の楽しみが広がっていきます。劇場に通い続けていれば、熟練の客と同じ様にかけ声をかけることができるようになります。覚えることも多いですが、学んだ分だけ楽しみも同時に増えていきます。
歌舞伎の初心者のまとめ
最初は親しみを感じることが大切です。そのためにはまずは一度、劇場へ行くことが一番の近道になります。初めはまったく分からなくても問題ないです。だんだん分かるようになるにつれて、どんどん歌舞伎が楽しくなっていきます。同じ作品でも少しずつ違う部分があったり、演じる俳優によって見た時の印象も異なります。特に長唄や口上のシーン・立ち回り・花道での迫力の演技・見栄など特徴的で分かりやすい見所もたくさんあります。不安であれば、パンフレットやイヤホンガイドを活用することもできます。また、歌舞伎に詳しい知り合いに連れて行ってもらうなどの方法もあります。色々な作品をみて楽しめる部分が増えていくと、どんどん面白くなっていきます。
歌舞伎の歴史
歌舞伎の歴史は400年ほど前に遡ることができます。歴史として残っている中では、1603年が最も古い歌舞伎の記録として残されています。歌舞伎のはじまりは、女性の芸能者とされる出雲の阿国がかぶき踊りをしたことがきっかけであるといわれています。この当時は女性が男装をして演じていました。しかし、風俗を乱すという理由から女性の歌舞伎は禁止されるようになりました。その後、女性に代わって少年が舞台に出る若衆歌舞伎となりましたが、これも風俗を乱すという理由で禁止されました。それから17世紀の中頃に成人した男性が演じる野郎歌舞伎と呼ばれるものに形を変えていきます。そこから様々な芸能を取り入れていき、現在の歌舞伎の形に近づいていきました。
初心者におすすめの歌舞伎
初心者が初めに観るならば、勧進帳がおすすめです。十八番の一つでもある作品で、源義経や弁慶といったよく知られている人物が登場するのでとても観やすい作品です。弁慶の源義経への忠義心を描いたストーリーで、様々なドラマを楽しむことができます。また、弁慶の舞いや花道での飛六方など見所がたくさんあります。舞台の台詞が分からず不安な場合には、京鹿子娘道成寺がおすすめです。女形の舞踊で有名な作品で、台詞の意味があまり分からなくても楽しむことができます。踊りやきれいな衣装が印象的で、特に衣装の早替えに注目です。ストーリーは一応ありますが、特に台詞を理解しなくても華やかな演出で楽しむことができます。手ぬぐいが客席にむかって投げられたりします。