クロールとは
クロールと呼ばれている水泳の泳ぎ方は、英語でcrawlと書きます。この意味は「腹這いで進む」ですが、両方の腕を交互に動かして水をかいて泳いでいる様子がそのように見えることから名付けられたとされています。水泳の競技などで自由形フリーと呼ばれているものがありますが、この時にクロールによる泳法で競われています。両手を交互に動かして水かきをしながら、両足も交互に上下に動かして泳いでいくのが特徴となります。腕の水かき方法と両足のキックに仕方を正しく学ぶことによって泳ぐ姿勢の美しさや泳ぐスピードに変化が出てきます。水泳教室などでは、クロールの練習でキックだけの練習や腕の水かき練習などを個別におこなわれることがあります。
クロールを始める初心者の基本
初心者や泳ぐことが苦手な方の中には水が苦手だったり怖いと感じる方もたくさんいらっしゃいます。初心者が水に慣れ泳ぐ練習をする際に重要なのが息継ぎの仕方です。泳ぐ際に呼吸する方法を習得することは基本で、泳ぎながらしっかりと息継ぎをすることができることによって泳ぐ怖さがなくなります。クロールをする際に3回腕で水をかいたら息継ぎをするなどリズムをつけて練習していくことがおすすめです。また息継ぎをおこなったら、次の息継ぎまでの間に水中でゆっくりと息を吐いていくようにします。初心者の場合はいっきに息を吐いてしまわず、ゆっくりと吐いていく方がおすすめです。クロールはその他のさまざまな泳法の基本となりますので、泳ぎ方を習得することでその他の泳法もマスターしやすくなるとされています。
クロールの初心者が始める前に必要な基礎知識
クロールで泳ぐ場合に足を上下に動かしますが、このようなバタ足のことをキックと呼びます。平泳ぎやバタフライの泳法は異なりますが、キックはクロールだけではなく背泳ぎをする場合にも同様に使われる基本的なものです。膝下から蹴りおろすようにするダウンキックは、足の甲の部分に水をとらえて押し出すようにすることで前に進みます。逆にアップキックと呼ばれている蹴り上げの場合は、足の裏の部分で水を押し上げるようにしていきます。キックはクロールでスピードを出すためにも重要になります。膝を曲げ過ぎた状態でキックをしてしまうと水の抵抗を受けるためスピードを出すことができません。できるだけ水の抵抗を受けないようなキックの方法を習得しましょう。
クロールを始める際に必要なもの
クロールの初心者がいきなり始めても難しいですので、まずはビートバンなどを準備することがおすすめされています。水に慣れないという方や泳ごうとすると沈んでしまうという場合は、プールの中で浮いてみる練習やけ伸びから始めてみてください。めちゃくちゃなフォームでいきなり泳ごうとするのではなく、フォームを身につけていくことが大切です。け伸びというのは泳ぎの基本となるもので、両足で壁をキックして両腕は耳の横につけて前へ伸ばし身体を真っすぐに伸ばして前に進みます。息継ぎなどはせず息が続くところまで進む練習をしていきましょう。キックの練習をするためにビートバンを利用して、正しいキックの仕方を身につけていきます。
クロールの初心者が簡単に始める方法・手順
初心者の方の場合はキックと手の動きが大切で、手で水をかくことをプルと呼びます。プルの方法にはいくつかの種類がありますが、初心者の場合はストレートプルから始めることがおすすめされています。プルを習得するためには立った状態で手の動かし方を練習していきます。あまり大きくかきすぎても抵抗が生じてしまいます。手は親指と人差し指がくっついている状態にして、水中で水をキャッチするような気持ちでかいていきます。少し手のひらを外側に向けるような感じにすると水の抵抗を受けにくいため、手の動かし方や形も意識することが必要です。前に出す腕は真っすぐに伸ばすようにしましょう。キックの仕方や手の動かし方を身につけてから泳ぎに入っていきましょう。
クロールの初心者が上達するためのコツ
初心者が上達するためには、やみくもに両腕両足を動かすのではなくそれぞれ個別にマスターすることから始めるということです。水中から腕を引く場合には、離れた場所をかくのではなくできるだけ体の近く部分をかくようにします。水を押し出すようにする場合は、手が太もも辺りにまで届くくらい伸ばすよう意識してみてください。手のひらが上を向いている状態で腕を伸ばしきったら肘の部分から水中に腕を上げていきます。引き上げた腕は、体の近くを通すよう意識して戻していくようにしていきましょう。両足と両腕のフォームをしっかりと身に付けたら息継ぎの方法を習得して、自分のリズムに合わせて上手に取り入れていけるように練習が必要です。
クロールに初めて挑戦する人へのアドバイス
クロールの泳法で用いられるフォームを習得したら、息継ぎのタイミングをつかめるようにしていきます。タイミングとしては、腕が胸のよこ辺りをかいている時に横を向いて息をするような感じになります。息継ぎを上手にするためには水中で息を吐いておくことが必要です。息を吐いていないと吸うことができませんので、顔が水中に入っている状態の時に、鼻からゆっくりと吐いておくようにしてください。息継ぎができない方の場合顔を前向きに上げてしまうことがありますが、息継ぎをする場合は前ではなく自分の脇を見るようにして横に顔を上げることがポイントです。顔を上げた時に水を飲んでしまわないように水中で息をいっきにすべて吐いてしまわずに、初心者の場合はゆっくりと吐くようにしてみてください。
クロールの初心者のまとめ
クロールと呼ばれている泳法は、英語で腹這いで進むという単語が由来です。バタ足のことをキックと言いますが、この足の動かし方と両方の腕を交互に動かして水をかいて進みます。キックでは足の甲と裏で水をかき上げたり押し出すようにするのですが、膝は曲げ過ぎてしまうと水の抵抗を生みますので注意が必要です。初心者の方で水が苦手な方の場合は水に浮いたり、け伸びをして進むことから始めるのがおすすめです。その後キックと腕のフォームを別々に練習していきます。水泳が怖いと感じるのは水中で呼吸ができないからですので息継ぎの練習が必要です。上手に息継ぎができるようになれば怖さもなくなっていきます。水中で鼻からゆっくり息を吐いたら、腕をかいて胸の横辺りまできたぐらいで脇を見るようにして横に顔を上げて息継ぎをします。
クロールの歴史
クロールは基本的な泳法で、競泳の自由形でも見られます。クロールは1回のストローク動作をしている間のキックをする回数によって6ビート、4ビート、2ビートなどに分けられています。南アメリカやオセアニアの方では、古い時代から現在のクロールと似たような泳ぎ方がなされていました。平泳ぎと呼ばれている泳法は、両腕と両足を同時に動かして泳ぐ方法となりますが、19世紀の後半くらいに南アメリカの原住民から泳ぎ方のヒントを得て、両腕を交互に動かして泳ぐ方法を見い出したとされています。また20世紀頃になってからオーストラリアの原住民の泳ぎを見てヒントを得たことでトラジオン・ストロークが改良されて現在のような泳ぎ方になっていったとされています。
初心者におすすめのクロール
初心者がクロールを始める場合は、細かな手の位置やタイミング、動かし方を指導されてもなかなか難しいですので腕の動きを大まかにつかめるようにしてください。腕の動かし方を大まかに説明すると、入水した手はしっかりと伸ばし、真っすぐに伸ばしきったら少しずつ肘を90度に曲げるよういして肘の部分から引き上げていきます。肩のラインを描くようにして戻していきます。実際に泳ぎながらですと息継ぎに意識を取られてしまいますので、立った状態でストロークの練習をすることがおすすめです。立った状態であれば怖さがありませんので、腕の動かし方と顔を水中に付けて息継ぎのタイミングなども一緒に組み合わせて練習していくことができます。