着物とは
着物というのは和服とも呼ばれ日本の民族衣装として知られています。もともとは衣服を意味する言葉として使用されてきましたが、明治時代頃から西洋文化が入ってくることで洋服を着る人が増えていきました。洋服と区別をすることができるように日本在来の衣服を和服と呼んだり、これらのことを着物と呼ぶようになっていきました。洋服の場合は自分から見て服の左側の上に右側を重ねますが、着物の場合は右側の上に左側を重ねる右前となります。和服を着る場合に左前にしてしまうと死人を意味してしまうことになりますので注意するようにしましょう。右前は左側が上に重なっていますので、懐に右手を入れて取り出しやすいと覚えるとよいでしょう。
着物を始める初心者の基本
着物には種類がありますのでシーンに合わせて選ぶことが大切ですし、着物を着用している際のマナーを心得ておくようにしましょう。初心者の基本として着物を着ている時は、歩く時に歩幅を狭くするように意識することがおすすめです。大股で歩いてしまったり階段を上がる時にはだけてしまうのは美しくありません。また荷物を持ち上げるような時に腕が見えてしまうことも美しい所作とは言えませんので、荷物を左手で持った場合は右手でさりげなく添えてめくれ上がってしまわないようにすることが必要です。初心者の場合は洋服を着ている時のように歩いてしまいがちですが、着物の場合はやや内股になるような感じで自然に歩幅を狭くすることがおすすめです。
着物の初心者が始める前に必要な基礎知識
着物を着ようとする初心者の場合、どのような種類をどのようなシーンで着用すればよいのか分かりにくいですがTPOに合った着こなしができるように基本的な知識を身につけておきましょう。着物は結婚式やパーティーなどで着る第一礼装となります。第一礼装には未婚の女性が着ることが多い振袖、留袖、喪服などがあります。訪問着や色無地などの着物はセミフォーマルとなります。付け下げや小紋などは街着としてカジュアルに着ることができます。訪問着は披露宴パーティーやお茶会などの集まりなどにも気軽に着ていくことができるため良い物を持っていると便利でおすすめされています。色無地というのは生地を一色に染めた着物のことで黒以外を言います。
着物を始める際に必要なもの
初心者が着物を着る場合に何が必要なのか分からず不安があるという方が多いです。着物の他には和装下着や下に着る襦袢、帯が必要になります。この時に半衿や衿芯などを揃えておくようにしましょう。基本的に着物を着る場合には一般的なブラジャーは使用しません。小物類には、その他にも腰紐や伊達締め、帯枕、帯揚げ、帯締め、足袋などが必要になります。腰紐は2、3本揃えておくようにしてください。最近ではゴムベルトの腰紐などもありますが、初心者が始める場合はしっかりとしまる紐タイプを利用することがおすすめされています。伊達締めには、絹が使用されているタイプからポリエステルなどが使用されているものなどさまざまな種類があります。
着物の初心者が簡単に始める方法・手順
初心者が始める場合に着付けに必要な基本的なものをすべて揃えるのは難しいですので、借りることができるような着付け教室などで始めるとよいでしょう。また最近では着物リサイクルショップなどもありますので、最初から高額なものを購入しようとせずお手頃価格のものを購入される方も多いです。着物にとても興味があるけれど始めるのには敷居が高いと感じたり、どのような場所で着ていいのか分からない、難しそうと感じる方におすすめなのが浴衣です。夏の花火やお祭りのシーズンには浴衣を着られる方がたくさんいらっしゃいます。気軽に着られる和服ですので初めの一歩として浴衣から自分で着られるように着付けを始めることもおすすめの方法です。
着物の初心者が上達するためのコツ
着物をきれいに着られるようになるために自分の身体に合った着物で、美しく着付けできている状態をチェックしましょう。おはしょりの長さやシワ、お太鼓の大きさや高さなどバランスのとれたきれいな着付け方を身につけて、着崩れてしまった際に調整することができるようになることが大切です。衿の後は開き過ぎてしまうと下品に見えますので、こぶし1個分くらいあけるようにすることが美しく見えるコツです。また着物が崩れてしまわないように下側の伊達締めをしっかりと締めて固定しておくこともコツの1つです。着物は真っすぐのラインを出すことが美しいとされていますので、シワを付けてしまわないように着用する下着は和装専用のものを使用しましょう。
着物に初めて挑戦する人へのアドバイス
着物を自分で美しく着付けることができるようにするためには、正しい着付け方をする必要があります。そのためには自分の身体に合わせて補正をしていくことがポイントになりますので、着付け教室などで着付けのプロに身体のどの箇所に補正をするとよいか見てもらうことがおすすめです。細身の方の場合はウエストが細くてくびれができてしまいます。しかし着物の場合は真っすぐのラインで寸胴になるように着ることがよいため、腰回りにタオルなどを巻いて補正することが必要となります。また胸や肩などが細い場合も補正をしてあげることがおすすめです。このようにして身体の細い箇所にタオルやガーゼなどを利用して補正することによって着崩れしにくい着付けができます。
着物の初心者のまとめ
着物は基本的に右側の上に左側を重ねるように着付けをします。結婚式や披露宴など正式な場所には第一礼装として留袖や振袖などを着ます。セミフォーマルとしては訪問着や色無地を着ますが、訪問着は披露宴などにも着ていくことができますしガジュマルな場所でも可能です。着付けをする場合には、着物や帯の他にも伊達締めや腰紐、帯枕、帯揚げ、帯締め、足袋などが必要になります。着付け教室で借りたり、リサイクルショップを利用してお手頃に購入することもできます。初心者の方で和服に慣れていない場合は浴衣から始めてみることもおすすめです。着物は洋服と違い歩幅は狭くし、階段を上がったり物を持ち上げたりする時にめくれてしまわないように注意してください。
着物の歴史
着物は鎌倉時代や室町時代には直垂が礼服として着られていました。江戸時代に入ると簡略化されていったことで小袖などが着られるようになっていきました。明治時代から大正時代頃には絹を使用した生地が生産されるようになり海外へ輸出されるようにもなりました。絹の小紋染めなどが流行したり縞や絣の着物なども広く着用されました。戦後は着物よりも実用的な洋服を着る人が多くなっていきましたが、ウールで仕立てられている着物などが人気になったりもしました。現在でも成人式や卒業式、結婚式などのようなイベントでは着用される方がいらっしゃいますし、着物のよさが改めて見直されて着付け教室に興味を持って通う女性も増えてきています。
初心者におすすめの着物
浴衣は若い年齢の方なども夏のシーズンになると着用するなど浸透しているため鮮やかな色やポップなデザインの浴衣が販売されています。初心者の方が自分で着付けるのにお手頃で比較的簡単ですのでおすすめです。気軽にお洒落着として購入されたいのであれば、季節を問わないような柄の小紋や紬などがおすすめです。帯で格を上げることができますし、カジュアルに着たいという場合は半幅帯などを選んでみるのもよいでしょう。半幅帯でしたら比較的お手頃価格で購入することができますし、リボン結びや角だし結び、お太鼓風にアレンジして結んだりとさまざまなコーディネートを楽しむことができます。ご自身の雰囲気にあった色を選ばれて楽しんでください。