簿記とは
帳簿記入の略で、企業等における会計処理を行う上で必須になります。また、この簿記には単式簿記と複式簿記とがあり、単式簿記は収入と支出だけを記入する家計簿であるのに対して、複式簿記が企業などで行うものになります。利益や損失がどの程度発生したのかを明確にし、利害関係者に対してその企業等の経営状態が一目で分かるように、一定のルールの元で作成されなければならないとされています。そのルールを学び、正しく帳簿が作成されるために学ぶ知識こそが、簿記を学ぶということなのです。このルールから逸脱することは決して許されません。銀行等の利害関係者に対して、正確な情報を伝えることができないので、大きな損失を与えることにつながるからです。
簿記を始める初心者の基本
まずは何のために学ぶのか、その必要性を理解するところから始めます。その次に基本的には仕訳からスタートし、その仕訳を総勘定元帳に転記し、試算表の作成、貸借対照表及び損益計算書の作成までを行うのが一連の流れです。この流れを理解しつつ、勘定科目の意味と資産、負債、資本、収益、費用のいずれに分類されるのかを理解していくことも同時並行として行っていきます。初心者はまずは、勘定科目と分類を理解しながら、仕訳をマスターしていくことが求められることです。おすすめは、ある程度仕訳を学んだら総勘定元帳への転記ができるようになることです。仕訳と総勘定元帳への転記などの意味が分かるようになると、初心者としてはとりあえず十分と言えるでしょう。
簿記の初心者が始める前に必要な基礎知識
日々行っている金銭の動きなどにどのような意味があるのか、利益につながることなのかなどを考慮していくと、簿記の知識やその考え方に結びつきやすいと言われているところです。つまり、お金の動きを持っていると考え方が追い付きやすく理解がしやすいために、おすすめとされています。考え方をお金の動きでとらえることは、学ぶ上で非常に大切なことですから、基本としてお金の動きとその処理の方法を理解していくことは必須です。日々の生活の中で、その商品がいくらで仕入れたもので、いくらで売れば儲かるのかといったことを考えていくといったように、お金の動きに関する考え方を行う癖を持つことで、学んでいく上で非常に楽しく思考を深めていけるでしょう。
簿記を始める際に必要なもの
まずは物理的に電卓は必須です。かつてそろばんを長く学んだ人の中には、暗算で処理を行う場合もありますが、現在ではそのような処理を行う人も少なくなり、現実的ではありません。その他には、業務で行ったことをお金に換えて考えていく思考の必要性です。考え方をすべてお金として、物事の中心に考えていくことで、学びやすくなります。いくらお金として動いたのか、収入があったのか支出があったのかなどをよく考慮していくことが求められます。資産、負債、資本、収益、費用の分類についても考え方を柔らかく持って、考慮していくことで理解が進みやすいと言えるでしょう。つまり日々の考え方一つで、その行動が変わってくると言えるわけです。
簿記の初心者が簡単に始める方法・手順
簡単な仕訳から始めることになりますので、何をしたら借方、貸方にどう記入をしていくのか、金額はそれぞれ左右の合計は一致しているのかなどの基本を学んでいきます。その後、総勘定元帳への正しい転記を行っていくための知識、その他帳票類への記入方法を学んで、試算表の作成ができるところまで学んでいくことになります。試算表が作成できれば、決算を行うための必要な知識である決算整理仕訳の考え方を学び、その意味を理解していきます。最終的には損益計算書、貸借対照表の作成を経て終了となります。基本はこの流れで学んでいきますが、規模が大きい会社などでは仕訳の種類や勘定科目の増加などがあるために、それらも学んでいくこととなります。
簿記の初心者が上達するためのコツ
理解よりもどれだけ問題を解いて理解したのかが重要になるものです。したがって、初心者にとっては、問題を解いて覚えていく根気強さが求められます。すぐにすべてを理解するのは難しく、予習や復習など反復して学んでいくことが極めて重要です。おすすめは、目指すところの問題集等を反復して練習問題を繰り返して解いていくことです。そのため、問題集等の購入等の必要性が生じることもあり、既存の問題集などを購入する場合には、文字が大きく記入がしやすいもの、切り離すことができるものなどを購入していくことも考えたほうがよいでしょう。なお、これら練習問題がすらすらと解けるようになれば、過去の検定問題を解いてみることで、理解度の確認もできることにつながります。
簿記に初めて挑戦する人へのアドバイス
企業等におけるお金の動きを理解できるかどうかが問われる知識、学問です。したがって、検定試験等の目標を持って、その試験に絶対に合格するんだという意識を持つことが必要とされているところです。目標があれば、その目標に向かって努力をしていくことですが、大手の専門学校などが市販で問題集や参考書を販売していますので、初心者の人でまずはどうすればいいか分からない場合には、ノウハウをたくさん持っているこれら専門学校発行の問題集等を購入して学ぶのがよいでしょう。また、テキストの理解だけでは本当に理解しているかどうかが分からないので、問題集もあわせて解いていくことが必要です。実際に問題を解いていく努力を一番しっかりとしなければなりません。
簿記の初心者のまとめ
とにかく問題を解くことです。理解することよりも問題を解いて慣れてしまうことの方が、検定試験などでは役に立ちます。むしろテキスト等では理解が出来なかったものでも、問題をたくさん解いていく中で理解ができることがあるのがこの学問の特徴の一つです。初心者はある程度学んだと思ったら、問題をとにかく解いてみるように心がけてみましょう。検定試験などではこの方法でできる人が合格に近いとされています。時間の節約にもつながりますし、簿記についてより学ぶ上でお金の流れが理解できれば、より興味を持って行動することが可能になっていきます。また、企業などが公表している決算処理が読めるようになるので、興味をより深く持って行動していくことにつながります。
簿記の歴史
簿記自体は元々は欧州イタリアの商人が考えたものと言われていますが、その後海を渡ってアメリカでもこの知識は根付きました。そのため、考え方がアメリカ中心の考え方と欧州を中心にした考え方の二つが存在しています。具体的には計算方法としてやり方、処理の方法が異なるもので、日本ではそのいいとこどりをしている場合もありますし、国際的な企業の場合は、その業界のルールに則って計算が行われています。そのルールの理解も重要になるために、処理を行う上でやり方が異なることを将来的には学ぶことがあり得ます。ただし、初心者の場合はそれほど気にしなくてはいけない知識ではなく、むしろより難易度が高い資格のために求められるため、初心者の場合は気にしなくてもいいことが大半です。
初心者におすすめの簿記
初心者にとってのおすすめはまずは仕訳をマスターしていくことですが、この基本が出来れば次のステップに進んでも問題はありません。ある程度はバラバラに進んでいく学習内容も最終的には決算書類の作成の目的に集約されていきます。したがって、問題をひたすら解くことで概要も分かっていくこともあり得るので、問題をひたすら解くことをおすすめとしているところもあるほどです。もし理解ができないなと思った場合でも、ひたすら関係するところの問題を解いてみる、分かる部分と分からない部分とを切り離して、分からない部分をはっきりさせていくことで、その部分を繰り返して問題を解いていけば、いずれはすべて理解が可能になっていくものです。